G-07 楠原 庸子 夏の夜に思い出すのは
- 牟田 晃洋
- 2019年3月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2019年7月27日
夏の夜の 虫の声と 風の匂は バスケットボールを追いかけていた時期を思い出させます。
デンタル前の強化練習の帰り道、遠征先での宿への帰り道、同じ音を聞いて同じ匂を感じて、汗ばんだ肌が冷えていくのが心地よかった。バスケ部を卒業してしまった今では、あの頃の一瞬一瞬は私の宝物となり、夏の夜はせつなくなるのです。
なにかに打ち込みたい そう思って体育館へ
大学に入学して、長い6年間を何か打ち込めることをしながら過ごしたいと思って選んだのがバスケ部でした。見学に行った時、先輩方が暖かく迎えてくれたことを覚えています。こんなにいい雰囲気の部活だったらきっとやっていけると感じて入部させてもらいました。先輩方は、バスケはほとんど初心者の私にも、やさしく丁寧に、基礎から教えてくださったので、無理なくバスケに入り込めたのだと思います。
初めてのデンタルの雰囲気
初めて行ったオールデンタルは、北海道でした。北海道自体、初めて行った私には、遠征も北海道も新鮮で、とてもうきうきしていました。そこで初めてみる全国のレベル、雰囲気に興奮したものです。決勝トーナメントには行けなかったものの、みんなで決勝トーナメントに向かって夜な夜な会議をし、一生懸命取り組んだことで、今まで味わったことのない充実感を感じました。この北海道デンタルで、これから先も毎年オールデンタルに向かって練習していきたい、と、改めて強く思ったのです。
悩みの多かったキャプテン時代
さらに数年たって、少しは部に慣れてきたときに、キャプテンをさせていただく機会を得ました。それまではただ、与えられた仕事をしてきただけの私にとっては、キャプテンという大役は重すぎて何をすればよいかわからず戸惑った覚えがあります。キャプテンになるまでに抱いていたイメージとは全く違うことを、時間が経つにつれてひしひしと感じたからです。練習計画ひとつをとってみても、その練習に何の意味があるのか、試合にどう反映されるのか。細かいところまで考えるようになりました。また、皆の意見を反映させて部を運営したいというのが私の強い思いだったので、よく男子部の皆にも相談に乗ってもらったり、女子部でミーティングを開いたりしました。しかし人数が増えてきていたあの時期、いろんな意見が出てきて、うまくまとめられず悩んだ日々が続いたものです。さらに、練習試合をするにあたってもいろんな大学のキャプテンと連絡を取ったり、会場の手配に奔走したり、スケジュールを合わせるのに苦労したり。いろいろな経験をさせていただきました。
頼りになる先輩に支えられ
はじめてのことが多くて、よく戸惑っていた私の大きな支えになったのが、先輩方の力です。悩んでつまづくたびに先輩方に相談しては、親身にアドバイスをしてもらいました。このとき、バスケ部のつながりは本当にありがたいものだと強く感じました。悩みが大きかった分、学ぶことも大きかったキャプテン時代。一年間のキャプテンを終えたときには、キャプテンをさせてもらってよかったと、本当に思いました。
勝利をみんなで共有すること
バスケ部最後の年、オールデンタルで私たちは決勝トーナメントに進み、7位をめぐって長崎大学と対戦しました。この試合が一番記憶に残っています。接戦が続き、最後までどうなるかわからない展開が続きついに残り1分になり、そのとき九大は1点差でリードしていました。この1点を守り切れ。みんなの心が一つになりがむしゃらにボールを追いかけた1分間が、とても長く感じられたのを覚えています。そして1点を守りきって7位を勝ち取ったとき、みんなで抱き合い涙して、なんともいえない感情が胸にこみあげてきました。皆で協力し合って得るものは、ひとりで得るものよりこんなに嬉しいものなのだと初めて知ったからです。あのときの感動はこれからもずっと忘れられないと思います。
バスケ部で得たもの
バスケ部で得たものは、かけがえのないものばかりです。バスケの技術はもちろんですが、飲み会でのお酌の仕方から人と人とのつながりの大切さ、皆で目標に向かって進める素晴らしさ、結果を勝ち得たときの感動。ただ何もしないで大学に在学するよりずっと大きく、ヒトとして成長できたような気がします。バスケ部に在籍できたことを誇りに思うし、感謝しています。
バスケ部も今年で20周年。私は創部には関われませんでしたが、こんなに素晴らしい部を作ってくださり、そして私も入部できて数々の素敵な思い出を得られたことに、不思議なご縁を感じ有り難くも感じます。
創部20周年、本当におめでとうございます。これからもずっとバスケ部の歴史が続いていきますように、心から願っています。

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